音を「見る」ヘッドホンYAMAHA「HPH-MT8」レビュー【密閉型】【モニター】

2019年6月13日

こんにちは、アマノケンシです。

突然ですがそこのあなた。

「今のヘッドホンに満足していますか?」

特に「音質にこだわりたい」「DTMで使えるいい感じのモニターヘッドホンが欲しい」と思っているそこのあなた。

あなたです。そんなあなたにピッタリモニターヘッドホンをご紹介します。

これまた唐突ですが、私は音楽鑑賞DTM(わからない方は楽曲制作と思ってください)が趣味です。スピーカーをメインに鑑賞・作業をしたいのですが、現在マンションに住んでいまして… ヘッドホンで作業をしています。ヘッドホンだけですべてを済ませる分、特にモニターヘッドホン(楽曲制作で使われるヘッドホン)を選ぶのには気を付けています。

そんな私が自信を持っておすすめできるモニターヘッドホンの1つが、YAMAHA製の密閉型スタジオモニターヘッドホン「HPH-MT8」です。この記事ではHPH-MT8外観や音質、使い心地といった観点からご紹介します。

ヤマハ公式HPのHPH-MT8製品情報ページはこちら

HPH-MT8の概要【スペック】【付属品】

まずは公式HPから引用したHPH-MT8の仕様や付属品をご覧ください。

モデルHPH-MT8
形式密閉型 オーバーイヤー
再生周波数特性15Hz – 28kHz
インピーダンス(1kHz)37Ω
最大入力1,600mW
出力音圧レベル(1kHz)102dB SPL/mW
ドライバーΦ45mm、ダイナミック、CCAWボイスコイル
ケーブル3.0m ストレート、1.2mコイル(ともに脱着式)
端子3.5mm ステレオミニプラグ、6.3mm ステレオ標準プラグ
寸法(W×H×D、ケーブル、プラグを含まず)161 × 214 × 89 mm
質量350g (ケーブル、プラグを含む)
付属品6.3mm ステレオ標準プラグ変換アダプター、3.0m ストレートケーブル(脱着式)、1.2mコイルケーブル(脱着式)、キャリングバッグ(合皮)
https://jp.yamaha.com/products/proaudio/headphones/hph-mt8/specs.html#product-tabs

HPH-MT8は密閉型のヘッドホンです。能率はインピーダンス(1kHz)が37Ω、出力音圧レベル(1kHz)が102dB SPL/mWであることから、結構高い部類ではないでしょうか。実際、能率の低いAKG K712 PROと同程度の音量を出そうとすると、ヘッドホンアンプのボリュームつまみはK712 PROより低くなります。

再生周波数特性は特筆して広くはありませんが、必要十分。近年のハイレゾ対応ヘッドホンと比べると低いように見えます。しかしながら、そもそも人間の可聴域は加齢で狭まるし、若くても20kHz程度までなので問題ないですね。モニターヘッドホンは意外と常識的な範囲に収まってる機種が多い気がします。

あとケーブルが着脱式なので、リケーブル(ケーブル交換のこと)もできて、断線の心配もなさそうです。ただ端子は独自端子のようなので、ケーブルを自作したい人は注意してください。

HPH-MT8の外観【折りたたみ】【付属品】

ブラックをベースとし、シルバーをあしらったカラーリング。ロゴマーク以外の装飾はなく、武骨でいかにも業務用といった印象です。シンプル・ミニマルといった表現が合いそうですね。個人的にはこの武骨さが好きなんですが、人によってはおとなしすぎると感じるかもしれません。

HPH-MT8 前面
HPH-MT8 側面

なんとこのHPH-MT8、折りたたむことができて持ち歩けます。お仕事で使う方もどこにでも持っていけて安心ですね。

HPH-MT8 折りたたんだ状態&付属品

付属品のキャリングバッグは、本体とケーブルが楽々入るサイズです。本体同様ブラックをベースにシルバーのロゴが入っており、合皮素材であることと相まって高級感があります。

HPH-MT8の音質【ピーク周波数】【分解能】

「すべての音を、見るために」

https://jp.yamaha.com/products/proaudio/headphones/hph-mt8/index.html#product-tabs

上記は公式HPのHPH-MT8製品ページに書かれたキャッチコピーです。決して大げさではないと思います。音を「見る」という表現がぴったり当てはまるくらい、高解像度・高分解です。そして味付けがほとんどありません

全域に渡ってタイトな音質で音がダマにならず、低域の分離も良いです。ボーカルはっきりと聴き取れます。それでいて密閉型の中では聴き疲れもしづらいので、長時間作業にも向いていそう。

音場は広くはないですが狭くなく、定位もはっきりわかります。

周波数特性の測定グラフを探したのですが、見つからなかったので実際に利用しての印象です。ピーク周波数は中高域、特に高域にあるように思います。しかし低域必要十分な量が出ており、極端にどこかの帯域が強いといった感じではありません。

YAMAHAのモニタースピーカーに似た音なので、MSPやHSシリーズを使ってる方はHPH-MT8に馴染みやすいと思います。

使い心地は?

丈夫で携帯性にも優れていて扱いやすいです。この音質が持ち運べるのは驚きました。

前述のとおり聴き疲れしづらいので耳に優しいです。一方でHPH-MT8は意外と重いので、長時間使ってた場合、動きが激しい方だと首が疲れます。ここが唯一感じているデメリットですね。

どんな人に向いてる?【制作】【リスニング】

楽器を演奏する方や、DTMなど録音・制作をする方には特にHPH-MT8が向いています。もちろんミックスでも使えますが、遮音性が高く録音モニターとしておすすめです。ベースの録音時も輪郭がはっきりとしていて聴き取りやすく、分離も良い。私はベースの耳コピで使うことが多いです。

対抗機種に同じ密閉型のスタジオモニターヘッドホンである、SONY MDR-CD900STが挙げられます。使われるシチュエーションは似ていると思いますが、音質的な方向性がかなり違いますので、900STが苦手な方にこそ、このHPH-MT8試してもらいたいですね。特に900STの低域が少なすぎると感じる方はぜひ試してみてください!

リスニング(音楽鑑賞)用としては味付けがほとんどないので、人によってはつまらなく感じるかもしれません。純粋に音楽を楽しく聴きたい方にはおすすめしませんが、「好きな音楽をもっと細かく聴いてみたい」という方には大変おすすめです!

YAMAHA HPH-MT8は最高の録音モニター

YAMAHA製の密閉型スタジオモニターヘッドホン「HPH-MT8」について、レビューしました。

  • 高分解で味付けの無いモニターらしい音
  • 折りたたむことができ、優れた携帯性
  • 高い遮音性で録音モニターにおすすめ(ミックスも可)
  • 900STが苦手な方こそぜひ
  • リスニング用としては万人におすすめできない
  • 好きな曲をより細かく聴いてみたい人にはおすすめ

この製品を知っていて買おうか迷ってる方や、DTMで使えるヘッドホンをお探しの方の役に立てばうれしいです。

ほかにもいろいろなヘッドホンをレビューしていますので、よろしければご覧ください。

これまでにレビューしたヘッドホンまとめ記事はこちら

販売ページへのリンク

さまざな店舗で購入できますので、抜粋してAmazonとSOUND HOUSEのリンクのみ。

HPH-MT8のSOUND HOUSEの商品ページへのリンクは、以下の画像です。

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