万能ヘッドホンAKG「K712 PRO」レビュー【開放型】【モニター】【リスニング】

2019年6月15日

こんにちは、アマノケンシです。

「いい感じのリスニング用ヘッドホンが欲しい」「今のヘッドホン音はいいけど聴き疲れする」「ヘッドホンが重い」「ミックス・マスタリングがうまくきまらない」

今日はそんなお悩みを持つあなたにピッタリな製品を紹介します。

前回の記事に書いたように、私は音楽鑑賞DTMが趣味です。音楽鑑賞とDTMでヘッドホンに求めることって変わりますよね

たとえば音楽鑑賞であれば、純粋に楽しく聴けることが大事で、DTMであればより正確に音を把握できることが大事。さらに言えばDTMでは工程や用途によって求める基準が異なります。なのでヘッドホンを使い分けることが多いのですが、めんどくさいしお金がかかってしまい…

そこでご紹介したいのがAKG製「K712 PRO」。リスニングに最適で、制作用途でも多くの場面で利用できる「万能ヘッドホン」です。

AKG公式HPのK712 PRO製品情報ページはこちら

K712 PROの概要【スペック】

まずは公式HPから引用したK712 PROの仕様をご覧ください。
※多いので抜粋です。

仕様一覧
ヘッドホンのタイプ オープン
感度ヘッドホン 105 dB SPL/V
定格インピーダンス 62Ω
着脱式ケーブル あり
ケーブルの長さ 3m
交換可能イヤーパッド あり


オーディオ仕様
最大 許容入力 200 mW
再生周波数帯域 10 – 39800 Hz


サイズ
長さ 113mm
幅 199mm
高さ 212mm
正味重量 235g

https://jp.akg.com/K712PRO.html

K712 PROは開放型(オープン)のヘッドホンです。能率は定格インピーダンスが62Ω、感度が105dB SPL/Vであることから低めで、アンプ必須です。とてもじゃありませんが、スマートフォンのイヤホンジャックにつないでも、このK712 PROはまともに鳴らせません。比較的イヤホンジャックの音質が良く出力も高い、HTCのスマートフォンですらまともに鳴らせませんでした。代わりにノイズは乗りづらいです。

再生周波数特性は広く、ハイレゾ音源も対応できますね。

ケーブルが着脱式なので、リケーブルできます。端子はミニXLRなので、ケーブル自作し放題です。

K712 PROの外観

ブラックとオレンジが調和した派手過ぎず地味でないデザイン。ケーブルもオレンジ色です。K712 PROの外観は、色合い以外についてはK701/K702など、ほかのKシリーズから大きな変化はありません。
※長いこと使っているので汚れています。すいません!ロゴや型番も消えかかっておりますが、新品ならはっきり浮き出ています!

K712PROの前面画像
K712 PRO 前面
K712PROの側面画像
K712 PRO 側面

Kシリーズ共通ですが、革のヘッドバンドとそれを覆うフレームが特徴的。

付属品としてはコイルケーブルとキャリングポーチがついていますが、箱とコイルケーブルとキャリングポーチは実家に置きっぱなしなので、写真が取れませんでした…お詫び申し上げます。

K712 PROの音質【周波数応答】【分解能】

サウンドに熟達
K712は、リファレンスシリーズのオープン型オーバーイヤーヘッドホンで精密なリスニング、ミキシング、マスタリングを可能にします。

https://jp.akg.com/K712PRO.html

公式HPに書かれたキャッチコピー。少々直訳的な印象を受けますが、K712 PROがリスニング・ミキシング・マスタリングで使えるというのは本当です。

高分解・高解像度で音域が本当に広い。誇張抜きにK712 PROでは、K240 MK2やK271 MK2で聴こえない音が聴こえます。

低域はかなり低いところから出ていて、高域もプレゼンスまでしっかり伸びています。

開放型の中では低域がタイトで、量も十分に出ています。特にK701やK702と比べるとK712 PROのほうが低域の量が多く、これらの機種で「音質は好きだけどもう少し低域が欲しいな…」と感じた方は絶対にK712 PROを試した方がいいです。

この機種だけでなくAKGの開放型ヘッドホンに共通する特徴ですが、高域がしっかり出ているにもかかわらず、まったく耳に刺さらないのでリスニングにも最適ですし、開放型であることも加わり長時間の利用時にも聴き疲れしません

ざっくりいうと、K712 PROはK702の低域を改善して、高分解化したモデルだと思いました。

音場は広く、定位ははっきり。DTMでの使用時には空間系の掛かりがわかりやすいです。

周波数特性の測定グラフをHeadRoomで作ろうと思ったら使えなくなっていたのですが、Head-Fiにありました。青色の線がK712 PROです。高い周波数までしっかり出ていて、他のKシリーズと比べるとやはりK712 PROのほうが低域が多くなっていますね。よりフラットに近づいているように見えます。

K712 PRO 周波数応答(Head-Fiより引用:https://www.head-fi.org/threads/the-akg-k712-pro-support-and-impressions-thread.659251/page-154

純粋に「スピーカーの代わりにヘッドホンを使う」という用途であれば、一番おすすめなヘッドホンです。

使い心地は?

K712 PROは非常に高音質でバランスが良く、聴き疲れもしないため、リスニング・ミックス・マスタリングに使える万能ヘッドホンだと思いました。あと本体が軽いのか、着け心地が軽く長時間かけていても首が疲れません

またイヤーパッドがベロア製のため、ふわふわしていて、個人的には革製よりも着け心地がいいです。

キャリングポーチはついていますが、サイズが大きく折りたためないので、持ち運びには向きません。また開放型であり、音漏れが大きいため室内での使用をおすすめします。

どんな人に向いてる?【ミックス】【マスタリング】【リスニング】

派手さはないですが、広い周波数帯域と欠点のなさでリスニングでは曲を選ばずに使えます。K712 PROには苦手なジャンルがありません。K712 PRO以外も、AKGのヘッドホンはリファレンスモデルでも音楽的な鳴り方をするので、ほかの機種もリスニングとDTMの両方で使っています。

DTMでの利用に特化して言えば、ミックス・マスタリング用途ではフラットに近い特性と広い音場で大変使いやすいです。

反面録音用としては、開放型であるがゆえにモニタリング音量が小さいと生音が聴こえたり、音漏れが多いのでマイクを使った録音では使いづらかったりします。また、やはり低域は密閉型の方が輪郭がわかりやすく、ベースの録音には向かないように感じました。録音モニターとしては、K712 PROを積極的に使う理由がありません。

K712 PROはリスニング・ミックス・マスタリングに最適

AKG製の開放型スタジオモニターヘッドホン「K712 PRO」について、レビューしました。

  • 高分解で広い再生周波数帯域
  • スピーカーの代わりになるヘッドホン
  • K702の低域が足りないと思った方におすすめ
  • 室内向け
  • 着け心地が軽く長時間の利用でも疲れない
  • ミックス・マスタリング・リスニングで使える万能ヘッドホン
  • 録音モニターには向かない

定番製品だと思うので、すでに使っている方も多いと思いますが、もし今K712 PROを買おうか迷っている方はぜひ試聴してみてください!大型の家電量販店なら置いてると思います!

ほかにもいろいろなヘッドホンをレビューしていますので、よろしければご覧ください。

販売ページへのリンク

定番製品でさまざな店舗で購入できますので、抜粋してAmazonとSOUND HOUSEのリンクのみ。

AKG K712 PROのサウンドハウス商品ページへのリンクは、以下の画像です。

AKG製K712 PROは開放型ヘッドホンです。リスニングにおすすめで、ミックス・マスタリングにもおすすめです。

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