洋楽のMVによく出るAKG「K271 MK2」レビュー【密閉型】【モニター】

2019年6月15日

こんにちは、アマノケンシです。

ここ最近でご紹介したヘッドホンのHPH-MT8K712 PROは、自信をもっておすすめできる製品です。しかしながらHPH-MT8は\24,354、K712 PROは\30,024(どちらも2019/5/18次点の値段)と少々高額です。DTM初心者の方には手が出しづらいですよね。

今回は初心者の方にも購入しやすいより安価で、定番的な商品AKG製「K271 MK2」をご紹介します。

リスニングよりも制作用途におすすめで、特に録音モニターとしておすすめなヘッドホンです。

この記事ではK271 MK2を外観や音質、使い心地といった観点からご紹介します。

AKG公式HPのK271 MK2製品情報ページはこちら(英語ページです)

K271 MK2の概要【スペック】

まずは公式HPから引用したK271 MK2の仕様や付属品をご覧ください。

General Specifications
Headphone type closed-back
Sensitivity headphones 104 dB SPL/V
Rated Impedance 55 Ohms
Detachable cable yes
Cable Length 3 m
Earpads replaceable yes

Audio Specifications
Maximum input power 200 mW
Audio frequency bandwidth 16 – 28000 Hz

Dimensions
Length 110 mm
Width 205 mm
Height 200 mm
Net Weight 240 g

https://www.akg.com/Headphones/Professional%20Headphones/K271MKII.html#spcs_support

K271 MK2は密閉型のヘッドホンです。能率はインピーダンスが55Ω、感度が104dB SPL/Vであることから低めです。K712 PROよりはK271 MK2のほうが音量が取りやすいですが、こちらもヘッドホンアンプがあったほうがいいですね。

再生周波数特性は十分な広さで、特に高域は28kHzまでカバーされています。

あとこちらもケーブルが着脱式なので、リケーブルできます。端子はK712 PROやK240 MK2などのほかのAKG製品と同じく、ミニXLRなのでケーブル自作派にも嬉しいですね。また当然ながら端子が同じなので、ほかのAKG製品のケーブルを使いまわすこともできます。

K271 MK2の外観

ブラックとネイビーをベースとし、ロゴなどはシルバーのカラーリング。落ち着いた色合いに加えて、ロゴの下に「55 ohms」と書かれているのが業務用らしさを引き立ています。同社のセミオープン型ヘッドホンK240 MK2とほぼ同じ見た目です。

K271 MK2の前面画像
K271 MK2 前面
K271 MK2の側面画像
K271 MK2 側面

Kシリーズ共通的な形状で、丸型のイヤーカップに革のヘッドバンドと金属のフレームが特徴的。カップのサイズはK712 PROと比べるとK271 MK2のほうが小さめなため、全体的なシルエットも小さく見えます。

箱や付属品は実家に置いているので載せられませんでした。お詫び申し上げます。

K271 MK2の音質【ピーク周波数】【分解能】

K271 MK2の音質についてレビューします。まず低域は量感こそ少ないものの、非常に質がタイトで特に超低域の締りがいいです。分離が良くキックとベースがきっちりわかれて聴こえます。もう少し周波数の高い中低域は、低域ほどタイトでなく音楽的な鳴り方です。

中域は非常に聴き取りやすく、ボーカルやエレキギターは特に聴こえやすいです。ボーカルやエレキギターの録音に使いやすそうな印象を受けました。

高域については、かなり上のプレゼンス域まではっきりと出ていて、ピークも高域にあるように感じます。超高域の空気感をつかむのにも使えるのではないでしょうか。

ただこのK271 MK2、中高域に歪みっぽくなる帯域があるように感じます。私以外にも同じようなことをレビューで書いていた方がいたので、気のせいではないのでしょう。歪みっぽくなる帯域では、細かいニュアンスなどが若干わかりづらくなるので、細かい調整時には注意が必要です。

価格.comにHead RoomのK271 MK2の周波数特性測定グラフを貼ってる方がいました。ほぼ同じ形状でセミオープン型のK240 MK2との比較です。

K271 MK2の周波数特性画像
K271 MK2 周波数特性(引用元:https://review.kakaku.com/review/20461010012/ReviewCD=749717/ImageID=231349/

使い心地は?

着け心地が軽くフィット感も良好遮音性が大変高く、ヘッドホンを外しているときはミュートされる便利機能(ミュート・スイッチ機能)が付いているので、録音時にも使いやすいですね。この機能はAKGのKシリーズでは、K271にしかついていないと思います。K271 MK2が海外のスタジオで定番なのも納得です。

また音質的な面では、低域はタイトさを持ちつつ、全体的にエアリーな鳴り方で聴き疲れしづらいです。

どんな人に向いてる?【制作】【リスニング】

K271 MK2は完全に制作向きですね。遮音性が高く中域・高域がはっきり聴こえるので録音モニターとしておすすです。特にボーカルとギターの録音時には大変使いやすいと思います。ただ低域の量感は少なめなので、ベースの録音や耳コピ時、中低域に寄っていれば聴こえやすいですが、低域に寄っている場合は聴こえづらいです。また、ミックス時に低域の分離を確認したり、高域の空気感を確認する用途には向いていますが、中高域に歪みっぽくなる帯域があるため、ミックス全般で使う場合には注意が必要が必要です。

リスニング用としては味付けがほとんどなく低域の量感がかなり少ないのでおすすめしません

K271 MK2は、制作用ヘッドホンとしてはコスパ良好です。特に録音モニターを探している人におすすめできます。モニターヘッドホンですが、音楽的なニュアンスもあるので冷徹な感じにならず、楽しく作業できそうです。

AKG K271 MK2はコスパ良好な録音モニター

AKG製の密閉型スタジオモニターヘッドホン「K271 MK2」について、レビューしました。

  • 低域は量感は少ないが、タイトで分離がいい
  • 高域にピークがあり、プレゼンス域まではっきり
  • 高い遮音性でボーカルとギターの録音モニターにおすすめ
  • 使ってないときには自動でミュートされる
  • リスニング用としてはおすすめできない
  • 制作用としてはコスパ良好

昔に比べると値下がりしてかなり買いやすい価格になっています。最初の録音モニターとしていかがでしょうか。

ほかにもいろいろなヘッドホンをレビューしていますので、よろしければご覧ください。

販売ページへのリンク

さまざな店舗で購入できますので、抜粋してAmazonとSOUND HOUSEのリンクのみ。

AKG K271MK2のサウンドハウス商品ページへのリンクは、以下の画像です。

AKG製K271MK2は密閉型ヘッドホンです。ギターやボーカルの録音に特におすすめです。

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