洋楽のMVによく出るAKG「K271 MK2」レビュー【密閉型】【モニター】
こんにちは、アマノケンシです。
ここ最近でご紹介したヘッドホンのHPH-MT8とK712 PROは、自信をもっておすすめできる製品です。しかしながらHPH-MT8は\24,354、K712 PROは\30,024(どちらも2019/5/18次点の値段)と少々高額です。DTM初心者の方には手が出しづらいですよね。
今回は初心者の方にも購入しやすいより安価で、定番的な商品AKG製「K271 MK2」をご紹介します。
リスニングよりも制作用途におすすめで、特に録音モニターとしておすすめなヘッドホンです。
この記事ではK271 MK2を外観や音質、使い心地といった観点からご紹介します。
AKG公式HPのK271 MK2製品情報ページはこちら(英語ページです)
K271 MK2の概要【スペック】
まずは公式HPから引用したK271 MK2の仕様や付属品をご覧ください。
General Specifications
Headphone type closed-back
Sensitivity headphones 104 dB SPL/V
Rated Impedance 55 Ohms
Detachable cable yes
Cable Length 3 m
Earpads replaceable yesAudio Specifications
https://www.akg.com/Headphones/Professional%20Headphones/K271MKII.html#spcs_support
Maximum input power 200 mW
Audio frequency bandwidth 16 – 28000 Hz
Dimensions
Length 110 mm
Width 205 mm
Height 200 mm
Net Weight 240 g
K271 MK2は密閉型のヘッドホンです。能率はインピーダンスが55Ω、感度が104dB SPL/Vであることから低めです。K712 PROよりはK271 MK2のほうが音量が取りやすいですが、こちらもヘッドホンアンプがあったほうがいいですね。
再生周波数特性は十分な広さで、特に高域は28kHzまでカバーされています。
あとこちらもケーブルが着脱式なので、リケーブルできます。端子はK712 PROやK240 MK2などのほかのAKG製品と同じく、ミニXLRなのでケーブル自作派にも嬉しいですね。また当然ながら端子が同じなので、ほかのAKG製品のケーブルを使いまわすこともできます。
K271 MK2の外観
ブラックとネイビーをベースとし、ロゴなどはシルバーのカラーリング。落ち着いた色合いに加えて、ロゴの下に「55 ohms」と書かれているのが業務用らしさを引き立ています。同社のセミオープン型ヘッドホンK240 MK2とほぼ同じ見た目です。
Kシリーズ共通的な形状で、丸型のイヤーカップに革のヘッドバンドと金属のフレームが特徴的。カップのサイズはK712 PROと比べるとK271 MK2のほうが小さめなため、全体的なシルエットも小さく見えます。
箱や付属品は実家に置いているので載せられませんでした。お詫び申し上げます。
K271 MK2の音質【ピーク周波数】【分解能】
K271 MK2の音質についてレビューします。まず低域は量感こそ少ないものの、非常に質がタイトで特に超低域の締りがいいです。分離が良くキックとベースがきっちりわかれて聴こえます。もう少し周波数の高い中低域は、低域ほどタイトでなく音楽的な鳴り方です。
中域は非常に聴き取りやすく、ボーカルやエレキギターは特に聴こえやすいです。ボーカルやエレキギターの録音に使いやすそうな印象を受けました。
高域については、かなり上のプレゼンス域まではっきりと出ていて、ピークも高域にあるように感じます。超高域の空気感をつかむのにも使えるのではないでしょうか。
ただこのK271 MK2、中高域に歪みっぽくなる帯域があるように感じます。私以外にも同じようなことをレビューで書いていた方がいたので、気のせいではないのでしょう。歪みっぽくなる帯域では、細かいニュアンスなどが若干わかりづらくなるので、細かい調整時には注意が必要です。
価格.comにHead RoomのK271 MK2の周波数特性測定グラフを貼ってる方がいました。ほぼ同じ形状でセミオープン型のK240 MK2との比較です。
使い心地は?
着け心地が軽くフィット感も良好。遮音性が大変高く、ヘッドホンを外しているときはミュートされる便利機能(ミュート・スイッチ機能)が付いているので、録音時にも使いやすいですね。この機能はAKGのKシリーズでは、K271にしかついていないと思います。K271 MK2が海外のスタジオで定番なのも納得です。
また音質的な面では、低域はタイトさを持ちつつ、全体的にエアリーな鳴り方で聴き疲れしづらいです。
どんな人に向いてる?【制作】【リスニング】
K271 MK2は完全に制作向きですね。遮音性が高く中域・高域がはっきり聴こえるので録音モニターとしておすすです。特にボーカルとギターの録音時には大変使いやすいと思います。ただ低域の量感は少なめなので、ベースの録音や耳コピ時、中低域に寄っていれば聴こえやすいですが、低域に寄っている場合は聴こえづらいです。また、ミックス時に低域の分離を確認したり、高域の空気感を確認する用途には向いていますが、中高域に歪みっぽくなる帯域があるため、ミックス全般で使う場合には注意が必要が必要です。
リスニング用としては味付けがほとんどなく、低域の量感がかなり少ないのでおすすめしません。
K271 MK2は、制作用ヘッドホンとしてはコスパ良好です。特に録音モニターを探している人におすすめできます。モニターヘッドホンですが、音楽的なニュアンスもあるので冷徹な感じにならず、楽しく作業できそうです。
AKG K271 MK2はコスパ良好な録音モニター
AKG製の密閉型スタジオモニターヘッドホン「K271 MK2」について、レビューしました。
- 低域は量感は少ないが、タイトで分離がいい
- 高域にピークがあり、プレゼンス域まではっきり
- 高い遮音性でボーカルとギターの録音モニターにおすすめ
- 使ってないときには自動でミュートされる
- リスニング用としてはおすすめできない
- 制作用としてはコスパ良好
昔に比べると値下がりしてかなり買いやすい価格になっています。最初の録音モニターとしていかがでしょうか。
ほかにもいろいろなヘッドホンをレビューしていますので、よろしければご覧ください。
販売ページへのリンク
さまざな店舗で購入できますので、抜粋してAmazonとSOUND HOUSEのリンクのみ。
AKG K271MK2のサウンドハウス商品ページへのリンクは、以下の画像です。